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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

「ゲーム・オブ・スローンズ」とイギリス史

(オリジナルFB投稿:2018年8月10日)


イギリス(ブリタニア)はローマ帝国の一部でした。ギルフォード周辺にはローマ時代の遺跡があり、西へ5~6km行ったところにあるWanboroughではケルト・ローマ寺院が20年近く前に発見されました。写真は、ギルフォード博物館所蔵する司祭の頭飾りと考えられているものです。


Amazonビデオでも視聴可能なので、ゲーム・オブ・スローンズをご存知の方も多いのではないでしょうか。ジョージ・R・R・マーティンの「氷と炎の歌」(原題:A Song of Ice and Fire)に基づき、HBOが制作している(次シーズンで完結のようです)テレビドラマです。

舞台は架空の地ですが、ヨーロッパや中近東・アフリカ北部を彷彿させます。要するにローマの物語に出てくる地域と合致するのです。


ゲーム・オブ・スローンズの重要な舞台の一つに「北の壁」があります。ローマ史、イギリス史を知っていれば、これがハドリアヌスの長城(あるいはアントニヌスの長城)であると思いつくはずです。


ハドリアヌスの長城は、112~122年に現在のイギリス・スコットランドの国境近くに造られました。これはローマ帝国の拡張政策終焉の始まりを象徴する、歴史の転換点の具現化されたものとして、感慨深く、その存在を想える建造物です。近辺まで旅行したことはあるのですが、残念ながら現存する壁を見たことがありません。現物は、スローンズに出てくるようなものではなく、当時観た写真は、放牧されている羊を囲う程度の長閑なものでした。


ローマ支配から10世紀近く経ち、イギリスはノルマン人に征服されます。1066年に征服者ウィリアム(William the Conqueror)がハロッド王を打ち破り、ノルマン朝(現王室の祖)を開きました。このウィリアム1世が建造したと言われる城がギルフォードにありました。


ゲーム・オブ・スローンズはフィクションですが、観ていてさまざまな史実を思い起こさせ、やもすれば味気のない歴史書の行間に血を通わせてくれるように感じています。


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