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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

更新日:2019年3月21日

英米文学におけるStream-of-Consciousness(意識の流れ)技法の金字塔は、ジェームズ・ジョイスの「ユリシーズ」です。「ユリシーズ」は、1918年から20年まで部分的に連載が雑誌に掲載され、完全版が出版されるのは1922年です。


「意識の流れ」という用語は、心理学者のウィリアム・ジェームズによるもので、英語圏の文学作品でこれが最初に技法として使われたのは、ドロシー・リチャードソンの「Pointed Roofs」(1915年)とされていますが、彼女自身はインタビューでジョイス、プルースト(フランス語)、ヴァージニア・ウルフなどがほぼ同時に、20世紀初頭、この「新しい」スタイルで書いていたと証言しています。


宮沢賢治の「春と修羅」は大正11年から12年、西暦ですと1922~3年、に書かれた作品が収録されています。この詩集の多く作品は、「ユリシーズ」と同時期に、上記 Stream-of-Consciousnessで書かれていると考えています。「習作」と題された一篇では、時間を共有するふたつの意識を描く試みが見られます。


賢治が、同時代の欧米作家の作品にヒントを得たとは考えにくく、Mental Sketchと彼自身の技法を命名していることからも、彼が独自にそのような創作に行き着いたのではないでしょうか。


タイトルともなった「春と修羅」は、「四月の気層のひかりの底」が舞台となっています。作品から放出される強烈なエネルギーは、ジョイスのそれとは異質なもので、読み返すたびに、脳内に浮かぶイメージが激しく振動するのです。



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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

"For sale, baby shoes, never worn." 「赤ちゃんの靴売ります、未使用」

これは6ワードの文学作品として、ヘミングウェイの作とされているものです。ところが近年の研究では、ヘミングウェイはまったく関係なく、作者不詳の一文は1906年頃からあったものだと解明されています。

サドゥン・フィクション、フラッシュ・フィクションなどと呼ばれる、短文によって文学的世界を作る方法論は、大学時代に文学部の子に教えてもらいました。

音楽では、言葉ほど短いものは無理ですが、ポピュラーでそのようなものはないか?と考えていました。プリンスの「Tangerine」も短いですが、歌詞のストーリーから得られるインパクトはこの曲の方が勝っていると思います。

10代前半の頃から大好きな曲です。以下、私の拙い訳です。

***

夜明けの海辺 砂ばかりで何も生えない平らな場所 夢の中からのように足音と太鼓の音が聴こえてくる 金緑色の潮が寄せるところ

9人の幸運な兵士たちが夜を徹して歩いてきた 半分ぐらいは傷つき、かろうじて生きているだけ 20人の内、9人が家路を急いでいた 語らなければならない11の悲しい物語とともに

僕は、はっきりと覚えている ベッドから起き上がり、こう言った時のことを 「おはよう!なんて美しい朝なんだ」


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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

更新日:2019年6月4日

試しに買ってみたコメリブランドのヒマワリの種が外飼いの鳥たちに評判が良いと妻が言うので、店に連れて行きました。


注文があれば入荷するという店側の説明。妻は躊躇せず、10袋、10kgオーダー。


お父さんはたいへんです。


キビタキ(この子は基本肉食です)

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