寒い日が続いています。東京の寒さは、山のそれとは異なるように感じてしまいます。私としては珍しく、室内でもセーターを着て、ソックスを履いています。
10日の吉見さんとのライブ以降、新たなる即興演奏のベースとなる曲作りをしています。リズムについて色々とアイディアが浮かんできますが、同時に改めて、さまざまな勉強をやり直し、創作に活用しようと資料を読み漁る日々が続いています。
インド音楽ではターラというビートのブロックがあります。たとえばティーンタル(Teental)は16のビートでひとつのブロックになります。フラメンコではコンパスというブロックがありますが、こちらは12(たまに6)のビートで構成されます。ティーンタルの場合は記譜を16/4、フラメンコであれば(多くの教則本では正しく表記しませんが)12/4とします。
インド音楽にはルーパックタル(Rupak TalあるいはTaal)という7つのビート(3+2+2)でひと回りするものがあります。これを3+2+2という数え方でメロディーや即興のもとにすることは出来るのですが、これに異なる数え方を上乗せすることにより、システマチックに面白いシンコペーションが得られるのではと考えています。
たとえば、7つでひと回りなのであれば、2回だと14のビートが与えられるわけです。これを5+5+4に取れば、ルーパックタルが2周して、あたまのビート(インド音楽のサム)に合うわけです。
小さなリズム音価の異なるグルーピングでの作曲は、ハンガリーの現代音楽作曲家のリゲッティの作品にも見られます。7つのビートのフレーズが右手、左手は5つのものなんて使い方が出来る発想です。
さらに、機械的にこのようなことをやっても、面白くはなく、そのように複合されたリズムがどのような効果をトータルで醸し出すかが問題となります。そのことから、もうひとつ、異なる角度からの勉強が役に立つと同時に、研究模索の方向性を示してくれます。ポリリズムです。
上記リゲッティは中央アフリカのアカ族の音楽からポリリズム的な発想を得ています。 アカ族の音楽には、他の民族音楽同様、ポリリズムによる「グルーヴ」があります。この「グルーヴ」を私なりの方法論で作り出す作業がとても面白い毎日となっています。