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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

航海術:ウンベルト・エーコの「前日島」

(オリジナルFB投稿:2016年12月29日)

11世紀に端を発した十字軍は15世紀のオスマン帝国による東ローマ帝国の滅亡によりひとつの区切りがつきます。15世紀には大航海時代の幕が開き、16世紀には、イエズス会の宣教師たちが日本の地を踏みます。この時代の世界は私にとって、大変興味深いところです。


今朝はこの音楽を聴きながら航海術の苦労へと想いを馳せました。今年の二月に亡くなったウンベルト・エーコの「前日島」は英語版初版で90年代に読み、そこで初めて経度の測定が大変困難であったことを知りました。

大海にて船の位置は、南北・東西へどれだけ進んだか知らなければなりません。南北は緯度となりますが、これは(北半球では)北極星など「動かない」天体と海面の角度で得られます。ところが東西、経度となると移動する太陽の位置を記録しなければなりません。正確な時計が必要となってくるのです。


音楽は、それが創られた時代の意識を非言語的な情報として私たちに教えてくれるものだと思っています。「前日島」に描かれる船乗りたちは、どのような気持ちでこのような音楽を聴いていたのでしょうか、美しい旋律の音間に聴こえてくる残酷な世界像の中でどのような一生を過ごしたのでしょうか。



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