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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

You Know, You Know

ジョン・マクラフリンが、インド音楽を知悉していることは彼の作品を聴かれたことがある方であれば自明のことでしょう。 彼は、作曲や即興演奏をするにあたってコンナックル(インドのリズム的口三味線)を活用していると公言しています。この譜例は、たいへん高度なレベルで彼が実践している内容を説明したいと思います。 コンナックルでは、ビートをグルーピングする場合に1はTa、2はTake、3はTakita、4はTakidimi、そして5はDhadegenadoと発音します。4つの8分音符を2つづつ区切る場合は、Take-Take、4つを4つとする場合はTa-ki-di-miとなるわけです。ワルツは1,2,3とカウントせず、Ta-ki-taになります。 ワルツのように1拍目とTaが合う場合はとても簡単ですが、これがずれて、前の小節の3拍目にTaが来ると、西洋音楽的教育しか受けていないと違和感を感じてしまいます。 ジョン・マクラフリンの「You Know, You Know」は、12/4という拍子で書かれているのですが、始まりがアウフタクトになっています。これ、聴いただけでは判りません。実は、マクラフリン自身の解説を知り、私も初めて理解できたことなのです。 アウフタクトの8分から始まるフレーズは、1拍目が「頭」であるとして演奏するのは結構めんどうです。そこで彼曰く、どのように考えているかというと、8分音符を3つのグループとしてTa-ki-ta、Ta-ki-taとしているそうです。 フレーズとしては(冒頭のシファレのように)3つのグループで書かれている訳ですから不自然ではありませんが、普通は̪シの音を1拍目として採譜してしまうのです。譜例には書きませんでしたが、12拍目のオフ(8分)が同じ音型のフレーズの頭になっています。弾き終わってスペースがあるところのカウントが4分で出来てしまうのはアウフタクトに8分がある故。 面白いアプローチを考えたものです。曲はアルバム「The Inner Mounting Flame」に収録されています。


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