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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

Canarios

今月は1月31日のバースディライブのリハがあるのですが、修理に出しているジャズギターが戻ってきていないので、月末の吉澤実さんとの打ち合わせに間に合わせるための編曲を朝からやっています。

モダンなブラジルポップの曲はお昼前に終わらせたので、ガスパール・サンスの「カナリオス」をリコーダーとギター用に編曲しています。

ガスパール・サンスはスペインバロック期のギタリスト、作曲家、オルガニストで、彼の「スペイン組曲」はギタリストになじみ深い作品です。アンドレス・セゴヴィアのためにホアキン・ロドリーゴ(アランフェス協奏曲の作曲者)が書いた「ある貴神のための幻想曲」はこの組曲を元に創られています。

原組曲は複弦5弦(12弦ギターみたいに2本づつ同じ音やオクターブ離れた音にチューニングする)のバロックギター用に書かれています。バロックギターは現代のコード譜のような「アルファベート」という記譜法を使うのですが、これはアルファベットの文字が左手の押さえ方を指定するというもので、オタマジャクシのように個別の音を分散して弾いたりする指定はありません。よってフラメンコの様に弦をかき鳴らす奏法(ラズゲアード)が多用されることになります。

カナリオスはカナリア諸島発祥とされるルネッサンス・ダンスで、16~17世紀にヨーロッパ中で人気を博し、シェイクスピアの作品にも言及が観られます。速く、激しく、飛び上がったりすることもあったので「カエル踊り」とも呼ばれていました。

クラシックギタリストはわりと上品に弾く人が多いのですが、私はこれを大盛り上がりする舞曲として弾いており、リコーダーとの編曲でもその路線を踏襲することにしています。

一人で弾いていても熱くなるので、冷静な演奏ができるよう自律しなければと心配させるほどホットな一曲に仕上がりそうです。


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