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  • 執筆者の写真Yoji Yoshizawa

「蓼科組曲」完成

更新日:2019年6月24日

今日は、実さんとリハ・打ち合わせでした。プログラムでとりあげる楽曲のキー、楽器の選定、ドローンやSEなどの音源チェックなどを終えました。 チェックリストのひとつの項目は、私の「組曲」で使う楽器や音域。だいたいのところは想定して書いていましたが、実際にリコーダーパートを、私がイメージした楽器で演奏可能であるかの判断をやっていただきました。スムーズに検証も終わり、フレージングやイメージの話もできたので、これをもって「蓼科組曲」(今回のバージョン)は完成ということになります。 「蓼科組曲」は、春夏秋冬、それぞれの季節に1曲づつという構成で4曲からなり、蓼科の美しい四季の中から、私が心動かされるものに着目して、そのイメージを音にしました。 1.Sprout!   

これは春に地面から湧き出てくる芽の集合的なパワーをイメージした作品です。抗いがたい 緑の世界への変貌がスタートする時期です。


2.Tiny Forest Birds


初夏からは緑の光に満たされた森の中を飛ぶ、とても小さな野鳥たちに注目しました。Rondo形式で、森全体と私の家の常連であるカラ族を表したテーマ、キツツキ族、アトリ科の小鳥、とくに頼りない飛び方をするカワラヒワ、そして燕やエナガ、トンビ、鷹など空を縦横に飛翔する鳥たちの音的描写から構成されています。

3.Sardines in the Sky 秋の透明な空気を胸いっぱいに吸って見上げた空にはイワシ雲。巻積雲ですね。これらが夕暮れにピンクやオレンジに染まると息をとめて見入ってしまうほどの美しさと雄大さを感じます。

4.Snowfall Dance 冬は、春を「再生」とすると「死」のイメージがついてしまいます。私は冬の喜びに着目したかった。とにかく蓼科の冬は否定することが難しいほど美しいのです。また春になって急に生命が無から発生するわけではなく、冬はそれが春に爆発をするためのパワーを醸成している時期で、人間の目には「死」と映ってもそれは「生」のサイクルの一形態にしかすぎません。 この曲はアイルランド・ケルト系の舞曲の様式で、ReelとJigで書きました。空から落ちてくる雪の精がニコニコ嬉しそうに舞い踊りながら降りてくるイメージを蓼科の冬と関連づけたかったのです。そしてそれら雪の妖精たちと、はしゃぐ子供たちや、動物たちとが踊るパーティ・ミュージックを書きたかったのです。積雪のある森に佇むと不思議な暖かさや懐かしさを感じると同時に、体の奥底から湧き出る喜びに気付きます。この「冬」を表現してみました。 7月14日、ピラタス2にて初演させていただきますが、蓼科の四季の自然を音でお楽しみいただければ、この地を愛する作曲家(演奏家)としては、この上ない幸せです。




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