Yoji Yoshizawa
森と治水
森に降り注ぐ雨をずっと眺めていて思ったのですが、本来の森は土砂災害を防ぐ機能をもっています。よほどの雨量で無い限り表層崩壊は防げるのです。
まったくの素人的見地からの着眼ですが、集落上流付近の人工林の保全に問題があったのか、今回の災害調査では明らかにしてもらいたいと思っています。
南木曽において人工植林が行われたであろうことは容易に想像できまする。ところが木の生長に時間がかかっている間に世界経済は変貌し、林をメンテする経済的理由が希薄になってしまったのではないでしょうか。人工林の間伐など手間暇を惜しんでしまえば「弱い森」になってしまう。そういった森の水・土保全機能は衰退してしまう。
我家の周辺を見ていても大雨で災害が起きている箇所はそのような「弱い森」です。森林保全と林業の在り方をホリスティックに考える必要があると思うと同時に、土木工学の研究者の先生方には現状を、上記を踏まえ、改善していく方策をより一層確立し、防災政策に生かすべく行政との連携を強めていただきたいと願うばかりです。
大変残念なことに、昨日、長野県南木曽で土石流により死者が出ました。亡くなられた方のご冥福を、そして怪我をされた方々の御快癒をお祈りいたします。被災され不自由な状況におられる方々の速やかな救済をも願うところです。
