• Yoji Yoshizawa

私の音楽的ルーツ(21)

73年に帰国します。しばらくしてグレコのレスポールコピーとエーストーンの30wのアンプ(Solid Ace-3)を手に入れました。

毎夜、レコードの回転スピードを落としてコピーしたのはこの曲です。これが本格的に即興演奏への扉を開けることになります。それまでも方法論を知らなかったわけではないのですが、実践のためのネタを数多く仕入れることができたんですね。

クリーム時代のクラプトンは「神」でした。その後は、首をかしげざるを得ないようなプレーしか聞いたことがありません。なんだか普通のギタリストになってしまった。しばらくすると彼の事は歌手だと思うようになりました。武道館のコンサートへ行ってもギターに感激するよりはヒット曲を楽しむという風に。 しかし、ジャック・ブルースが亡くなる前のリユニオンコンサートを視聴して驚きました。多少の錆び付きはあるものの、「神」の演奏が聴こえてきたのです。ここで改めて思ったのは、エレキギターの演奏はベースやドラムとセットで成立しているケースが多いということです。クリームという環境へ戻ったとたんに、クラプトンのギターは当時の光を放ち始めるんですね。 この点、ジェフ・ベックやカルロス・サンタナは異なる性質のプレーヤーです。彼らはバックミュージシャンが誰であろうと、同じようなサウンドを聴かせてくれます。これはジャズマンのデフォで、マイルス・ディヴィスなど何十年も、その時代の旬のミュージシャンと演奏するわけですが、マイルスはマイルス、変わりません。 もっと古くはチャーリー・パーカーやクリフォード・ブラウンをポップ仕立てにする企画で「With Strings」というものがありました。甘ったるいストリングスをバックにパーカーやブラウンが演奏するもので、コアなジャズファンには不評のシリーズですが、私はそれほど嫌っていないというのも、メインのプレーヤーの演奏はジャズ環境で演っているものと変わらないからです。こういった商業化策は、その後クリード・テイラーらが継承し、CTIでのケニー・バレル、ウェズ・モンゴメリー、そしてウェズの死後、ジョージ・ベンソンと耳障りの良いアレンジをバックに演奏を聴かせています。いずれの作品もメインの演奏はその人たちそのものの音となっています。ジャズの演奏家が耳障りの良いバックで演奏するというスタイルは、現在、スムーズ・ジャズというジャンルとして確立されていると思っています。 話を機材に戻します。先日まで知らなかったのですが、エーストーンってRolandの前身に位置づけられる会社だったのですね。現在使っているエレキギター用のエフェクターはBOSSのGT-1とRoland GR-55(ギターシンセ)です。長い縁は私が10代の頃に始まっていたのですね。


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