• Yoji Yoshizawa

リズムと数字:短期記憶

最終更新: 2019年3月22日

リズムと数字は切り離せないものですが、数学ではなく、人間の脳の働きと関連付けても面白い研究が色々あります。心理学者のGeorge A. Millerは1956年に「The Magical Number Seven, Plus or Minus Two: Some Limits on Our Capacity for Processing Information」という論文を発表しています。


平均的な人間の脳はだいたい7プラスマイナス2の情報しか短期記憶に保てない、というものです。7プラスマイナス2ってことは5か7ですね。素数の奇数ビートだ、などと野暮な事は言いません。2と3に分解できるからです。


何が面白いかというと、平均的な人間は7以上のビートをいとも簡単に周期単位として認知することが出来るところです。数えるということではないですよ。1から1000まで数えても、短期記憶に必要なのは前の数と今の数、2つの数だけです。1から12までだって2つではないか?と反論されるかもしれませんが、「9や10に今いる」という認識はそれまでの数を短期記憶に残していないと文脈を把握する必要性がある場合は駄目なのではないでしょうか。


ミラー博士の説を否定するつもりはまったくありません。実際、自分で被験者となると確かに7を超えると覚えていられないのです。


私がぼんやり思っているのは、リズムという「身体的要素」が存在する記憶の場合、脳以外の記憶が補助的に動員されているのではないか、という仮説です。


最近の研究はまだあまり勉強していないのですが、20世紀中盤ぐらいまでの学術研究はデカルトに始まり「脳と体」を別物として区別してきています。脳以外の情報処理「装置」は体に見つからないということであれば、「身体的記憶」は脳の異なる使い方ということになるのではないでしょうか。リズムから発想を得るまでもなく、自転車に乗れるようになる「記憶」は机上の勉強の「記憶」とは違いますよね。




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