• Yoji Yoshizawa

ミスター・ノーバディ

最終更新: 2019年3月21日

昨晩は、Amazon Prime会員特典でこの映画を観ました。2009年のヴェネツィア映画祭で、撮影部門の金オゼッラ賞を獲っています。


基本的にはラブストーリーですが、物理学の概念が脚本を複雑にしているところが楽しめました。エントロピーの増大(時間の不可逆性)、量子物理(基本的には「シュレーディンガーの猫」です)、そしてカオスの理論(ちょっと通俗的なバタフライ・エフェクトのみ)などが出てきますが、意識と時間の関係をちょうどここ一カ月ぐらい、あれこれ考えていたので、興味深く鑑賞できました。


ヴェネツィア映画祭が開催されるのはリド島です。最後にヴェネツィアに行った時の宿は、リド島、映画「ベニスに死す」の舞台にもなったHotel Des Bainsでした。リドは南東に細長く、ヴェニス島をアドリア海から守る蓋のような位置にあり、「ベニスに死す」のラストの砂浜は外海向きにあります。


Des Bainsから海沿いに南東へ、ルンゴマーレ・グリェルモ・マルコーニを歩いて行くと、もうひとつの有名な5スターホテルであるエクセルシオールがあるのですが、そこのちょっと手前にちっぽけな映画館があります。エクセルシオールは内装や規模も、ヨーロッパの古い伝統的なホテルであるDes Bainsより大きく、モダンで、映画祭をホストするに適した場所との感でした。


私はエクセルシオールで開催されていたある国際会議に出ていたのですが、季節的には春で、映画館周辺の寂れ具合からは、映画祭の賑わいが想像しにくかったです。


1週間ほど居たのですが、会議はつまらなく、朝、一応顔を出したのちは、ヴァポレットに飛び乗り、ヴェネツィア島をうろつくのがメインでしたが、行ったことがなかったブラーノ島(ガラス工芸で有名なムラーノではありません)や、そこからさらにアドリア海沖合にあるトルチェッロ島へも足を伸ばしました。


トルチェッロ島は5世紀ごろから人がゲルマン人の攻撃から非難し、住み始めたところで、ちょうどヴェネツィアが出来たころの面影を残す場所です。このあたりの歴史は塩野七生さんの著書がとても詳しい情報ソースだと思っています。

ブラーノ島の特徴はなんといっても、カラフルな家々です。漁師たちが沖合から島を観た時に、自分の家を識別できるようにそうなっていると聞きました。自作詞ですが、この時、脳裏に浮かんだのは「Coming back home to you」でした。


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